交通事故の示談交渉と弁護士

任意の自動車保険に加入した場合、通常、自動車保険には交通事故が発生した場合には、保険会社側の損害調査部門に所属する専門家が、相手方の保険会社と示談交渉をしてくれます。過失割合をそれぞれの事故ごとに、一定の基準の下で、それぞれの話し合いの中で決め、お互いの保険会社がどの程度の補償をするのかを決定します。もっとも、まれに示談内容が決まっても、当事者間で納得がいかないものもあります。その場合には、損害保険会社の専門家だけでは対応できない場合があります。一般には、当該保険会社の顧問弁護士が出てくるか、それとも、当事者が任意で弁護士を雇うことになります。交通事故での補償においては、一定の基準が出ているので、最終的な補償内容はそれほど大きく異なることはないのですが、当事者が納得する解決を法律的に処理してくれる点では、やはり法律の専門家に依頼した方が確実です。

交通事故の示談に弁護士が必要な場合

弁護士法には、報酬を目的にして法律的な紛争や交渉を弁護士以外のものがしてはならない旨が規定されています。ところが、自動車での交通事故が発生した場合には、一般に、当該自動車が入っている保険会社が示談を行うことになっています。これは上記法律違反とはならないのでしょうか。正解を言ってしまえば、法律違反とはなりません。というのも、1970年代に、交通事故の示談交渉の場面に限って、保険会社の損害調査部門の専門家が示談交渉を行ってもよいことが、日弁連と日本損害保険協会との間での取り決めで決定されたからです。もっとも、この取り決めにあたっては、保険会社側が当事者となることが前提とされているのに注意すべきです。すなわち、自動車同士での交通事故が発生した場合に、当事者の両者に過失が存在するとき、それぞれの保険会社は補償額を支払う義務を負うことになります。この場合には、保険会社同士で示談交渉を行うことが可能です。しかし、一方当事者に過失がない場合には、保険会社レベルでは示談交渉ができません。

交通事故の示談交渉で弁護士が出てくる場合

交通事故が生じた場合、加害者側と被害者側が出てきます。しかし、車同士の事故の場合には、加害者と被害者を簡単に区別できない場合が多い。というのも、ともに同程度の不注意で事故が発生した場合には、過失割合が同じになる場合があるからです。他方、一方当事者の過失割合が大きい場合にも、両者に責めに負うべきところが存在する以上、加害と被害という言葉は相対的なものに過ぎなく、どちらかが一方的にかつ絶対的に悪いという場合は、比較的少ない。交通事故の示談交渉の場面では、過去からの裁判例の集積で決まった一定基準を適用すれば、法律専門家に任せなくても大きくは異ならない結論が出せるため、弁護士以外の、保険会社の専門家が示談対応することが可能となっています。もっとも保険会社が示談代行ができるために当事者となることが条件となっており、まったく過失がない場合には、代行ができません。この場合には、弁護士に依頼することになります。